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Lapis Lazuli 瑠璃色の愛 ~初恋と宝石Ⅵ 気象系

第15章 母の涙……2


「母上様、本来私は若と呼ばれる立場にはないと思っています。翔禾姫より先に生まれた……」

「潤若様……」

「大叔父上は、母上様が櫻井家に入られた際に、補佐……話相手的な立場にて一緒に櫻井家に来たはず。私と翔禾姫が生まれた時からの家臣同士の反目が、雅若生まれた瞬間から激化して……私の後見を担うようになった伯父上は……私を跡継ぎにすべく……」

 目を伏せて話していた私。ふと顔を上げ母上様を見ると。

 母上様は涙されていた。

「申し訳ございません母上様。今や、実質的に櫻井家を動かしているのは、大叔父上ですが、私が疑念に思っている事には母上様は関わっておられないと思っております。病に臥せっておられる殿……父上様も。なぜなら私の苗字が松本であるからです。櫻井の家は翔禾姫が継ぐべきと……雅若が生まれた時に何が起きたのか……知りたいのです」

 止まらぬ涙を流しておられる母上様。子供である私が、母様のお心を乱している事が。

 辛くて心苦しくて……

「私は幼すぎて御守りする事が出来なかった…… 十七になりました。これからは私が御守り致します。私を守る為松本の苗字のままにして下さった母上様と、父上様を。そして翔禾姫。雅若を。和也様と智も、それぞれの視点、想いから動き出す事にしたようです。何よりも、翔禾姫がお立ちになられたのです。だから……」

「いつか本当の事を話せる日が来る事を 待ち望んでいました……ありがとう潤若様。 あの日の事、あの時の事をお話致します……」



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