第2章 柱合会議
賑やかな朝餉も終わり、深聡と千聡は身支度を義勇と実弥はそれを神社の前で待っていた。
コツコツコツ…
待っていた2人の耳に石段を降りてくる2つの足音が聞こえてきた。
深聡は千聡の手を繋ぎ転ばないように誘導をしている。
「お待たせいたしました。」
2人の元にやって来た姉妹は、朝餉の時と違う服装をしていた。
垂衣はしていないようだが、外套で全身が覆われており、フードを目深く被っているためハッキリと顔を見ることができなかった。
「何で全身を覆う様な外套を着てんだァ?」
「冨岡様と不死川様の上司の方と会うという事ですので、正装に着替えたのですが、目立ってしまいますので、外套を纏っております。」
「帽子まで被る必要はあるのかァ?」
「私たちの一族はあまり人目に触れてはならないというしきたりがありますので…。」
「…そういうもんかァ。」
こちらとしては特に気にする必要もないと判断した実弥は、聞くだけ聞き、特に言及はしなかった。
「不死川様、冨岡様。今から向かう所へは徒歩で行くということでよろしいのでしょうか?」
「あァ…。徒歩で間違いねェんだが…。」
深聡の質問に実弥は少しお茶を濁した。
「申し訳ないが、場所を知られるわけにはいかないので、貴女達には目隠しをさせてもらい俺と不死川がおぶっていく。」
お茶を濁していた実弥に変わり、義勇が淡々と答えた。
「おぶる…ですか…。」
「未婚の娘に触れるのは余りよろくしないが、他に方法がねェ。すまねェな。」
「い、いえ。大丈夫です。少し驚いただけですので…。それに助けて頂いた方たちに従うのは当たり前ですので…。」
「すまねぇなァ。」
「1つだけお願いがあるのですが…。」
「お願い?なんだァ?」
「実は千聡は視力が悪いのです。目隠しなどは問題ありませんが、背負われるとなれば揺れを怖がるかもしれません。それだけ気をつけていただきたいのですが…。」