第19章 アフター・ダンスパーティー
『良いよー、のんびりするんだったら外で夕飯済ます?』
「私はそれも良いなって思うけどハルカ、先生どうすんのよ?夕飯無い!って駄々こねんじゃないの?何日か前からやけにあんたに物凄いべったりじゃない」
何日か前、となると多分硝子が完全に休む3日間の1日目の時の……あの痴話喧嘩以降。そこから悟の我慢が解かれ、平常通り…いや、気持ちもっと回数と日数を増やしてのセックスをする夜が再開された。
お互いの不信感もさっぱり消えて以前よりも身体も心も距離の近い存在になったのだけれど、公然で悟がよく貼り付くようになってしまった。それはもう、飛んできたムササビの如く背にガシッとしがみつく。
私は始めこそ『人前でいちゃつくの禁止!』って拒否ってたけど、抵抗しても力強い悟には叶わず。クラスメイト達も始めこそ驚いたりニヤニヤしてたのがもはや"いつもの光景"としてしらー…と割と冷たい視線を送ってくるようになった。慣れって怖い。
普段からくっついてる分、息抜きで私が野薔薇と出掛けるくらいは許されるはず。大体さ、今晩予定は無いのは確かだし。
さっき逃げるように去っていった彼に連絡を取ってみようかな。野薔薇にふすん、と鼻で笑っておく。
『まっさかー?そこまで束縛しないでしょ、ちょっとメッセージ入れておくよ、』
任務なり、課外学習の下見なりに行く最中に返事送って来るでしょうし。
一限目はこのまま教室に居れば良いし。座ったまま少し足を伸ばしてリラックスし、すっ、と携帯を取り出して悟にメッセージを送る。
ええと……、野薔薇に付き合って出かけるわけだから。
"放課後、車借りて野薔薇とお出かけしてくる。パーティー用のドレスの下見と一緒にご飯食べてくるからお留守番お願いね"……これで良いだろ、と送る。
携帯をポケットにしまうか、という所で手の中の物が震える。止まってまたブルブルブルブル…、悟だ。なんか連続で送りつけてるな?スタンプ爆弾かな?
しまう前の携帯をもう一度画面を覗き込んだ。
「何、先生からもう返事きた?どう?大丈夫だって?」
椅子をギッギッと座ったままずらしてやってくる野薔薇。ずいっ、と私の携帯画面を覗き込むと彼女のシャンプーの良い香りがする。「どれどれー?」という野薔薇の楽しげな横顔をちら、と見つつ私も画面を見ると。