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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第19章 アフター・ダンスパーティー


「ていうか僕、ただいまのキスしてもらってないよ、ほらハニー!」

ぱっ、と手首を離されていつもみたいなころころ変わる表情へ。
私は背丈を合わせてくれていた悟の両頬に手を当て、ちょっと引き寄せた。なんだか…、こういう文化の無い日本でさ、急に結婚したからやろうっていうの。照れるよなあ…。

『お帰り、悟』
「そこはオマエ、ダーリンって、」

その先まで言わせるか、この!と唇を押し付けるようなキスをして離せば、今度は悟から私の首筋に顔を埋めて抱きしめた。

「……ん、改めて。ただいま、ハルカ」

パーティー用の服に染み付いたうっすら残るフレグランスが心拍数を加速させる。ぎゅっと私も悟の背に手を回して抱きしめる。顔なんて見ずとも普段と違う装いだからなんだろうか?やっぱりどきどきして胸いっぱいに"好き"って言葉が溢れてる。

少しだけこの抱きしめあう状態が続いて。ふっ…と私のつま先が浮き上がった。いや、何事…?何私を持ち上げてん?
抱きしめたままに悟は部屋の中へと歩を進めていて、私から見える悟の肩越しの光景は玄関が少しずつ遠くなってく所。

『あ、あのあの…悟さぁん?どこいくのかなー?悟はラピュタから落ちてきたロボット兵か?私はラピュタの後継者じゃないんだけど?自分で歩けるんだし私のこと早く降ろそっか?』

ピタ、と止めた足。そのまま抱きしめたままにゆっくりと体ごと押し倒すようにベッドにギシッ、と降ろされる。

「ほら、ご希望通り降ろしましたよ、お姫サマ?」
『うわー、場所!なんて場所に降ろしてんのっ!』

降ろされた時点で目の前には機嫌の良さそうな彼。ネクタイがぺち、と私の顔に垂れ下がった所を悟は自身の首元に片手をやり、キュ、シュル…と音を立ててネクタイを取り払った。
……多分、部屋に適当に投げてる。夢中になると脱いだ服をそうやってしまう彼の癖。つまりこれは夢中になってるって事。
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