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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第16章 覚醒のトリガー


階段の貫く縦の空間。私達の呼吸音や駆け下りる足音が響く。
その中でドォォ…ン、とひとつ響く地鳴り。少しバランスを欠き、悟に押さえられて体勢を整えた私と、背後の龍太郎の呼吸が大きく乱れる。数段ジャンプしてなんとか体勢を整えたみたいだ。
……人のこと言えないけれど身体強化を使用しても私も流石に疲れてきた。

「もうすぐだから頑張れー!」

『はぁっ…超、元気すぎ…っ!息もっ…切らせてないしっ!』

「最強だもん、つけるべき所に筋肉着けてるんだもん。オマエも良く見てるでしょ?僕がその気になれば2時間腰を振り続けられるよ?今度してみる?ってオマエが壊れちゃうねっ!メンゴー☆」

黙れと言いたいけれど無駄口が今は叩けないんだよね。後でくすぐって言い返す代わりにやり返しておこう。余裕そうな横顔を見て下り続けた。
……そして。
タンッ!と数段分ジャンプして着地した悟は「着いた!」とグリコのポーズをして一言叫ぶ。
やっと降りきった階段の終わりには全開の金属の扉がある。息を切らせながら悟の後に追いついて、私と龍太郎もリベルタのアジトの底へとようやく辿り着けた。
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