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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第2章 視界から呪いへの鎹


「才能があるか、幼少期に分かるモンでね、キミはその体に眠る、閃く機会を失っていたんだ。呪術ってのは体に刻まれている、僕にはね、確かにハルカに術が刻まれているのが見えるよ。だからそれを引き出すのはキミ次第って事。
ただ、キミの血族は戦う為の呪術ではない、犠牲になる事に特化した…いやちがうか。他人のダメージを吸うなりする、かなりクセのある呪術。
……呪いは呪いでしか祓えない。今わかる事は呪術が使えないなら呪力でどうこうしたり、武器を振るうくらいでしか祓えないかもね」

例え私が閃いて、自分に刻まれているという術が使えるようになったとしても、呪いを祓う…倒す方法じゃない。
代わりに、無意識に自身を覆う膜のような呪力が近付く呪いを払っていると移動中にも聞いた。弱いものはそれで十分だと。でもそれだと強い呪いには対処出来ないじゃない。
そしたら私、結局は誰かに頼る羽目になる。

『…それでも、身を守る術があったほうが良いな』

今日明日で得られる力じゃないかもしれないけれど。それでも私は守る力が欲しい。悟くらいの…はちょっと言いすぎかもだけれど手を煩わせたくない。
月明かりに光ってるみたいな掛け布団カバーを私が握りしめていると、悟側の布団でもぞもぞと動いている音。悟を見ると寝る為に起こしていた上半身を布団に潜り込ませていた。

「よーし、ハルカ。明日はここにある書物を漁って、さっさとここをトンズラするぜ。東京の僕の勤め先に案内するからそこで詳しく調べてみようか。
だから明日調べる書物はなる早で。京都から東京まで時間長いしね~、ふあーぁ…」

悟はかなり眠そうだ、大きな欠伸…してるし。提案通り明日、調べていけばきっと良い結果が分かるかも。
それで自分で身を守る術が手に入れられるのなら、ここに居る必要もない。そもそもここ、祖母の家では私を道具や一族の繁栄用程度にしか思われてないようだし。
うん、と頷き、私は溢れる月明かりに照らされながら笑っている悟に笑い返した。

『何から何までありがとう』

ガン見する悟は自身の布団に潜り込んで、こんもりとした布団から声が聞こえる。茶化すように、笑みの込められた声だった。

「正面からそう言われると照れちゃうな~」


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──朝だ

『んん……んっ…?』
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