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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第9章 五条求婚する


そりゃあ初代は敬う対象だろうけれど、システムを作ったって事で創立者というポジションではある。でも現在の社長たるものは、今呼び出してる私。祖母は領域展開をしたことがないらしいし、まだ元気に生きているわけだし。

嫌々ではあるけれど各所からのありとあらゆる式髪を利用した攻撃が呪霊をどんどん攻撃してあっという間に倒してしまった。地べたに前のめりに倒れ込む呪霊。式髪そのもので刺したり、武器化したりと個性は様々で……。
今回はあっさりと終わった。これはこの場に長居しなくても良さそう。

腹を殴られたんだか蹴られたかして多分臓器やられてたし、右足首は圧迫され続ければ千切れてたし今日は散々な思いをしたなぁ…。
腕をぐりぐりと回して、肩を自分で揉む。真希の言う通りさっさと帰る考えになっている、私ももう帰りたい。

転がる呪霊を蹴飛ばし、繭状態の母を見てから鎹を見上げた。

『いつまで母さんをあんな状態にしてるつもり?』
"永久にだ、一族同士、そもそも死者を殺せないなら封じ込めるしか無い"

……何が、春日の一族だよ。
この扱いを見れば私だって母さんと同意見にもなる。一族をゆっくり途絶えさせる考えに賛成しちゃうな。口を開こうとした瞬間だった。

どん。
鋭利な衝撃。それは気付いた時にはまるで燃えるような痛みを私に与えてくる。じわじわと鋭利な痛みを与えて自身の体の脈を大きく感じ取れる。

『まだ…生きてたのか、こいつ……』

転がる呪霊ってことは死んだふり(祓われたフリと言えば良いのかな)してて、隙を突いてきたのか。
太ももにしがみつき、どこに隠してたのか腹部から先端が見えるのは鋭利な刃先。制服をも貫いて腹を伝う血液が生暖かい。

"今すぐに治せ!"
"本当に春日を終わらせる気かっ!"

所々からのお叱りの声。
ずぷ、と引き抜かれた刃物に背後に倒れる体。痺れるように動けない。

『なん…、これ…刃物で腹刺されたらこうも痛いの…?』

誰も教えてくれない痛み。それは教える事が出来ない痛みだからかも知れない。死に至らしめる程の傷であればそう。
自身の脇腹に触れ急いで治療しながら振り向けば、先祖達の術式に串刺しされる呪霊と、その呪霊の悪あがきの突き。
禍々しい刃物が振り向いた私の腹部に深々と突き刺さる。
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