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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第9章 五条求婚する


「あ、今日のオムレツ、細かくしたはんぺんもちょっと入れました!」

ザ・サムズアップ&サムズアップ返し。
きっとそれは美味しいやつだと確信を持ってケチャップと、お弁当に詰め込む食材を取り出す。
ええと、ブロッコリーとソーセージと…鮭と……それら冷蔵庫の中身から調理中の横顔の悟を見た。

『オムレツにチーズやはんぺんねー…あれ、この人天才だった?』
「うん、天才最強特級呪術師の五条悟です」
『あーはいはいこいてるこいてる(調子に)』

取り出した食材を待機させて、オムレツって事はトーストの方が美味しいかな、とパンをセットしながらフライパンと皿がわずかに接触する音を聞く。
ふたつ分のオムレツが出来たみたいだ。プラスチックのケチャップのキャップの開く音が聞こえたからなんかやってるな……と察した。

いつだったか。お好み焼きを食べた時に、マヨネーズで小学生が描くようなイラスト付きで"ちんこ"と書かれたんだった。もう無邪気な笑みで。そして私達ふたりだったからもう一つにまるで地図記号を彷彿とさせる最低な絵を描き、文字を書き出していた、"まん"…まで書いたところでヘラで取り分けてやると、私よりもいくつかお兄さんであるはずの…年上の小学生は口を尖らせて悔しがっていたなー…。

まあ…そんな事もあるから朝から下ネタは勘弁してくれよ、と弁当箱を用意する。
おひたし用のほうれん草も使っちゃえ。これはベーコン足してバターと塩胡椒で炒めよう、と悟の隣に立つと皿を上に持ち上げだした。多分オムレツに悪戯でもしてたんでしょう。

『あーハイハイそっちのテーブルでどうぞ。ちなみに下ネタは書かないでくださーい』
「下ネタじゃないですぅー」
『ってか悪戯に夢中で卵焼き作ってないじゃない、こっちが先だわ』
「メンゴー…こっち忙しいからさ、やっぱりキミに任せるわ!」

変な悪戯に集中すんなや……と大真面目に作業する男をしらーっと見て私は私で作業に取り掛かった。
全く朝から慌ただしいな、と弁当箱にご飯を詰め終わって卵を割り、かき混ぜていると申し訳程度に悟がご飯にふりかけを掛けている。
ちらっと見ただけなのにまるで子供の王蟲を匿うナウシカのように体で隠された。
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