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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第8章 スキルアップ


65.

部屋でひとり身だしなみをチェックしてる。
朝ベッドから部屋に戻っていった悟は"玄関出た時からデートを始めようか。たくさんおめかししちゃってね!"そう言ってウインクをして、珍しく壁のスライドを閉じていってる。
オフとはいえ、高専の外は私にとっては気を抜けない場所。悟が居るといっても寄せ付けてしまうから動きやすいのを重点にした服を選んだ。
それを考えれば明らかにパンツタイプが良いんだけれど今日はキュロットスカートだ。髪もちょっとヘアスプレーでクセをつけておく。
任務はもちろん、治療等でこの前のアガリビトの件から更に増えた白い式髪。自身の意志で染めた白い部分もあるけど半分といかずとも白が目を引く。悟や狗巻の様に元から白髪や白髪に近い体毛の人だっているけれど、まだらに白髪化している人は滅多にいない。お洒落として入れるメッシュでもこんな醜い状態は、術者には治療や戦闘で呪力を溜めているのだと理解されていても、非術者には若白髪に見られる。思い切って全部白に染めれば人の目は気にならないだろうけれど今度は死ぬまでのカウントダウンが分からなくなるし…。
隣を私が歩いていて恥ずかしくないのかな、と少しばかり不安になってきた。

洗面所から離れて玄関へと進み靴を履く。
忘れ物は無いよね?財布も携帯も化粧ポーチにミニタオルに……、それから出かける前にシュッ、と音を立てた香水。落ち着いたほのかに甘い香りのものをそっと自身に添える。

やばい、今更ながらドキドキしてきた。不安に追加されたのは緊張。玄関から出るまでにためらいさえある。
合コンの帰りだとか祖母の家に行ったついでに甘味を巡るのだとかそんなんじゃない。事前に分かってのデート。結構気合を入れてしまった感がある。
一歩玄関のドア前に行き、ドアノブに触れて動きを止めた。

深呼吸をふたつ。そしてゆっくりと部屋から出れば出てすぐの場所には悟が待っていた。
両手を腰に当てて、ふふ、とちょっと笑って。悟もしっかりとお出かけ仕様でいつもよりも格好良い。そしてお気に入りなんだろう、よく着けてるサングラス。
この人色々と眼が良いから玄関前の行動もまるっと見られてたかもしれない。
ドアがばたん、と閉まった事に現実に呼び戻されて私は部屋の鍵を締めた。
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