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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第8章 スキルアップ


59.

──朝。

ぎゅっとコアラみたいに190センチ以上はある男がしがみついてる。暖かくて結構筋肉が着いてる体に包まれている安心感。なんかちょっとこの感じ…幸せ、かも……。
部屋に入ってくる朝日に照らされた部屋で、白髪のふわふわヘアーの男はまだ幸せそうに寝息を立てていた。
少し嬉しくてニヤケそうになった口元を手の甲で抑え、落ち着いてから悟の髪を撫でる。すぅすぅと寝息を立てる悟は黙っていれば確かに美形でどきどきする。降りた瞼が上がれば綺麗な瞳だし。

でも起きてしまえば大変残念な言動と行動を始めるのと、やはり性格なんだよなー、と世の中上手く出来ていないよなぁと、ぽんぽんと頭の撫で方を変えると身じろいで私に回した腕の位置を少し変え、また眠りを続行させている。
とても気持ちよく眠っている所恐縮ですが。シャワー浴びてお弁当を作りたいんですよ、私。

『悟、悟、起きて。朝…あーさー!』

「んあ?あー…おはよ。
……ハルカのおはようのキスしたら起きてあげる」

寝ぼけてるのかいつもの調子なのか甘えてるのか知らないけれど、少しだけ覚醒した悟に軽く口付ける。流石に身体を重ねるという行為を経て耐性は付いた。ちょっとだけ羞恥心はあるけれど。
悟はふにゃふにゃととろけそうな表情をして私の胸元に顔を埋め、回した腕でぎゅっと抱きつき、すりすりと顔をこすりつけている。ツカモト2号現象だ。太ももあたりに何か硬めのものがぐにぐに当たってる。というか盛りのついたオス犬のようにこすりつけている。ええと…?と2秒ほど考えて理解した。この人は朝から盛ってるようで。

「ねえ、当たってるの…分かる?ていうか当ててんだけれど。朝勃ちしたからおはようの一発させてよ、良いでしょ?朝の運動。出してスッキリしたいなー…」
『調子に乗るのもいい加減にしろ。シャワー浴びてお弁当を作るというやるべき事が優先ですので。お部屋でソロ活動でもして下さいねー』
「ケチー」

少し緩くなった拘束から抜け出して制服やら髪留めやらを手に取って浴室へと向かうと、カルガモのようにひょこひょこと着いてくる男の気配。
パンイチで手をわきわきとしているので嫌な予感しかしない。
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