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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第6章 "愛"も止まらない!


43.

部屋着に着替えてさっさと片付けを始める。
夕食は外で済ませてもお弁当箱や、少しであるけれど朝食用に使った調理器具などを片付けられなかった。
朝ばたばたしたからキッチンがヤバい、つけ置きとかしても意味があるのか、これは。もむもむとスポンジを握れば柑橘の香りを強くさせる食器用洗剤の泡。この白を見れば思い出す。
あの頭部白ポメラニアンめ、ふわふわしてたから夢中になったんだから!と弁当箱を洗った。きっとまた撫でる機会もあるだろうけれど、その時はゆっくり堪能しようっと。

壁を見る。床まで降りた壁紙付きの板は開いていない。
うん…まだ来ない。良し。
きっと悟も自室で何かしてるんでしょう、部屋に行った事ないけれど。隠してるわけでもない、ぶち抜かれた壁の穴から見える限りは私の部屋とそんなに変わらない。ただ、私の部屋の私物が増えてきているというくらい、なのかな……。
食器をすすぎ、食器用の籠に干す。次はどうしようか。
お風呂かな、入るんだし。悟の来ないうちにおふろも先に洗って置こう、と洗って、すすぐ。洗濯は…お風呂入る時で良いでしょ、今日はもう晩酌の気分が削がれたし…と、お風呂の準備を脱衣所に用意して隣の壁を見る。

『……おっかしいな、帰って早々に寝てんのかな?』

まあ、壁の向こうにも生活ってのがあるでしょうし。私みたいに片付けとか、もしかしたらお風呂入ってるのかもしれない。あと疲れてちょっと横になるつもりが寝てしまったとか。
じゃあ私もお風呂に入っちゃおう。この時間が勿体ない。以前ほどじゃないけれど疲れた。
壁を見るのを止めて、自身の肩をぐりぐりと回す。うん…結構凝っている。

人の怪我を髪に貯めるよりも、呪霊等に触れてしまうと体力が無くなる。何となく…直感ではあるけれど、白髪化するほど呪力が高い分、その状態ではあまり体力は持っていかれないのかも(見えなかった頃は仕事に行けない程の疲労や、悟の前でふらついた事もあったし)
面倒くさい血族だなぁ、と歯ブラシに歯磨き粉を乗せて咥える。そっと隣の壁を見てもこっちにやってくる気配、しないし。

歯磨きをしながら、片手でメッセージを入れておく事にした。"お風呂に入ってるから周辺に近付かないように"……よし、送信。
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