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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第5章 "好き"が止まらない!


42.

ぷらぷらと揃ってゆっくりとした帰り足。
あれだけの人通りも減り、バスに乗って…街灯も少なくなった所だった。
人も家も少なくなるにつれ高専が近いのを感じる。
普通の会話も人混みの中じゃかき消されていたのも、今じゃ悟と釘崎、伏黒の会話と、私と虎杖の会話の2チームの声だけが聞こえる。

「──ってすんの」
『ほー、今度やってみるわ。ありがと、虎杖シェフ』

鍋の肉団子から何点かのレシピを教えてもらい、手帳に書き込む私の隣に、伏黒と釘崎の間に居た悟が私と虎杖の間に割り込むようにやって来た。

「あっそうそう、ハルカ。呪術高専敷地内は多分安全だけれど、こういう外とかこれからはあんまりひとりで出歩かないようにね~!」
『…何故に??』

なんのこっちゃ、と目をぱちくりして悟を見上げた。
それは女ひとりで、とかじゃない。実際体術あるから変なヤツに遭遇してもなんとか返り討ちに出来る。普通に釘崎も遠い!とキレながらコンビニに行ったりしているし、私もこの前ひとりで合コンに行ってたし。
アイマスクでズボンの両ポケットに手を突っ込む悟は何を言いたいのか、ちゃんと理由を言ってくれないと私には分からない。
悟はなんとも言い辛らそうに、少し苦笑いして理由を教えてくれた。

「キミが編入した事で姉妹校にも情報が行ってね~…東京じゃなくて京都に編入させろだとか、上層部がうるさいみたいでね」

悟が呪術界の仕組みを変えたいって言ってた上層部。
そして私の今は近寄りたくない京都。
思わず私も少しばかり気が悪くなって口を尖らせて文句を言いたくもなる。

『えー…京都ぉ?あの婆さん住んでるなら尚更危険じゃん、東京の方が危険性が低い家も近い方だしあっちには私、行かないからね?』

目の前に居る伏黒と釘崎も振り向いて聞いている。悟の横の虎杖も。

「え?みたらいこっちに編入早々京都に行くの?」
「悠仁ー…ナイナイ、超危険。そこは僕がさせないよ。
ハルカさー…親父さんとこにもあの婆さんから連絡行ったりしてるみたいね、"孫を返せ、こっちに住まさせろ"って」
『げぇっ…!』

思い出される、この前の出来事達。
頭を抱えて、居ると憐れむ眼の前の視線ふたつ。そこから悟を見上げた。
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