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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第2章 視界から呪いへの鎹


「今は楽だろ?」

『………うん…、ああ、えっと…助けてくれてありがと』

「……どういたしまして。お腹減ったならメシ食いに中に入ろう、ほらシャキッと立って」

支えられていた手を離されて、自力で立った私。そしてくぅ、と情けなく鳴ったお腹を抑える。情けないし恥ずかしい。顔が…熱い……っ!熱が集まっている。
助けられたのは感謝してるけれど、多分ムカつく顔半分なんだろうなって声で斜め上の男がクックックッと笑っているのを聞き、店舗に入っていった。


****


「僕は日替わりで」
『私もそれで』

かしこまりました、と注文を受け付けたスタッフは端末を持って去っていく。その背中が遠くに行った所で賑やかなカフェレストランで悟は、自身の髪を摘んで私を指差した。
何となく言ってる意味が分かる。増えてるんでしょ、朝見たし。手ぐしで一度梳いて自分で見てみると朝よりも明らかに増えていた。

『……朝よりまた増えてる…なんでっ!?』

きっとそんな事、この男に言っても無駄だろうと思ったけれど、意外にもその言葉を受け止めて返してくれた。

「なんでって……ホラ、ハルカちゃん見えないんでしょ?ならずっと受け身だ、呪いにされるがままなんだよねー」

『何、呪い?オカルト話?受け身って?それがなんで私の髪に!?』
「声、ちょーっと小さくしよ?」

しー、と唇に人差し指を立てて、私のまくし立てる声を注意されてしまった。
立ちかけていたのでそっとソファーベンチに座り直す。良くわからない…何がなんだか。呪いって?私は誰かに呪われているの?

唇に当ててた指先を離して、悟は私に話を始めた。

「キミはね、体質というか血筋的に呪いを引き寄せているんだよね」
『呪い……』
「今は分からなくても、最後に質問タイムを挟むから今度こそちゃんと聞いていきなよ?じゃないとキミは早死するぜ?」

何がなんだか分からないままだけれど、大人しく聞いた方が良さそうだ。家まで特定されてるし。
不服ではあるけれど、一度うん、と頷いたら、悟も頷いて話の続きを口に出していく。

「ハルカちゃん、質問だけどさおばあちゃんはまだ生きてる?そのおばあちゃんの実家に行ったことはなかった?」
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