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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第21章 僕の初恋をキミに教えてあげる


184.

「まじでオマエ京都行くの!?」
『行くつもり満々だけど……っ、ふっ!あークソ、』

学校を終えて、いつものように部屋を借りて稽古を付けてもらってる。今も足を狙った蹴りを入れたつもりがひょい、と手で勢いを殺されてしまった。
以前みたいに手加減されまくってたとは違い、しっかりと痛みがあるもの。投げ飛ばす時はしっかりと投げ飛ばす。痛いのは確かに嫌だけれどこれで良い。呪いや呪詛師が以前の悟のように手加減してくれるわけじゃないんだから、こうしてちゃんと稽古をしてもらって体に経験を積んでるって実感が出来てる。
……まあ、私が京都に行く事っていう、私情込めてる感もありそうなんだけれど。

「えーい、勢いドウシタ?向かい風でも吹いてる?全然痛くもないよ、軽すぎっ!」
『あーっ』

ぽーい、と悟に投げられて、着地点で受け身を取って立ち上がる。それでもダン、と着地時に打った足がじんじんする。足を意識してすぐに治療すれば痛みはすぐに消えた。
ちょっとご機嫌斜めな悟を見て会話が続く。悟は首を二度振った。

「僕は反対。ぜーったい反対!僕の本能がそれを拒絶してる、京都のヤツら東京にハルカを戻さない気しかしない!
どうせおじいちゃんの肩こりとか肩こりとか肩こりとか腰痛とか肩こりの治療しかしないでしょー!」

おじいちゃん……楽巌寺学長の事かな…それしかおじいちゃんと呼ばれる人が思いつかないし。
少し離れた位置から悟側に警戒をしながら近付く。口で言い合ってもまだまだ稽古の最中だし。両手は構えておこう、すぐに反撃が出来るように。

『私はマッサージ師か!
……私は行きたい、行きたいよ?行くことでこことは違う経験が積めるもん。それに期間も決まってる。たったの二週間だよ?』

向こうに滞在して、延長って言われたらその時はその時。多分状況にもよる。私だってなんでもハイハイ受け入れるわけじゃないから、東京に戻りたいなら断って戻るし、怪我人がわんさか出てる状態なら落ち着いてから戻ったりと臨機応変に判断はする。
私の意志をきっちりと夫かつ担任かつ上司(…だよね?特級呪術師だし…)である悟に訴えてるのに悟はちっとも意見を受け入れてくれない。
受け入れるどころか、もっともらしい意見ではない子供みたいな理由で反対を繰り返してた。
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