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【呪術廻戦】白銀の鎹【五条悟】

第20章 星空の下で愛を語らう


182.激裏

彼の運転で公園から少し離れた温泉に行ってきて一日の疲れと体の汚れを綺麗にしてきた。
炭や焼き肉の匂いの移った髪がシャンプーの香りへと変わって爽快感。下着は変えたけれども服は色んな匂いが染み付いちゃってる。これは仕方ないなー…。旅館に泊まるわけじゃない、荷物が軽めなのが基本なキャンプ。多めの着替えは持ってきてはいなかったからどうしようもなく。

温泉から公園へと戻り、車から悟と一緒に並んでテントまでを懐中電灯で照らしながら進んでいく。
寂れた公園、駐車場には来た時と変わらず、私達の車以外は停まっては居なかった。出かける前は一度Uターンする為に来た車はあったくらいで利用者がほとんど居ない。それでも照らし続ける駐車場や公園の数本の外灯がとても頼もしく感じる。

さり、さり、と短い芝を踏む音が気持ち良く、たまに芝から飛び出したコオロギが懐中電灯に照らされては照明の無い闇へと飛んでいった。
リラックスしてるのか、眠くなってきたのか。悟がふあっ…と隣であくびをしてる。

「結構良い温泉だったねー」
『うん、なんかすべすべする泉質っていうか、湯上がりの肌がすっごく気持ちいいっていうか』

お湯に浸かって肌を撫でるとぬるぬるしていた。そういう泉質で通称美肌の湯と言われる泉質、アルカリ温泉。単純温泉っていうらしいんだけど、両手で掬うとなんだかとろみのあるような。
一年の皆で行った硫黄泉も良かったけれどもこういう泉質も楽しめるなんて、温泉もなかなか良いな……。

任務の都合上、一番近い場所に入ったのだけれど貸し切りや混浴が無い温泉。紺色ののれんをくぐる悟が「クゥー…ン」と鳴いていたのは忘れない。流石に強引に赤いのれんをくぐらないのは良いんだけど。

悟も温泉に満足したのか、大きく頷いた。

「うんっ!また僕の美肌度が向上しちゃってハルカを虜にしちゃうねえ。美肌の湯?っていうの?ぬるぬるしてるあの感覚、まるでえっちの時のオマエを思い出したんだけど?美肌の湯っていうより愛液の湯ってカンジ?」
『おい、その例え。最低か~?』

仮にも今からそういう状態になるんですけれど?
私から斜め上を少し暗い中で見上げれば笑ってる表情が見える。テント周辺には外灯がないから懐中電灯と後は頭上の月明かりくらい。それでも無邪気な悟の表情がぼんやりだけれど何となく分かる。
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