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牧場物語生活へトリップ!?

第20章 農業生活二十日目 R18


「それなら良かった。でも、僕のも味わって欲しいなぁ。」

「そ、それは・・・。」

「フフ、真っ赤になって可愛いな。僕の方が食べてしまいたくなるよ。そうだ、今日の夜は僕のを食べて貰おう。」

ねぇ、そんな卑猥なこと言ってるのに、どうしてこうも爽やかに見えるのだろう?でも、リヒトが作ったソーセージは、ペロッと食べてしまえた。

代わりに、お昼は少ししか食べられなかったけれど。リヒトもソーセージの出来栄えに満足しているようだった。

お昼からの作業は予定通りの、梅干し作り。と言っても、材料を機材に入れるだけだ。でも、何パターンか作ることにした。

思ったより時間が残ったので、イルミナの店へと訪ねることにした。


が、あの観光客の片割れに遭遇。リヒトに気付き、走り寄って来た。そして、第一声が謝罪だった。まぁ、そのことはいい。でも、その後に続く言葉が頂けない。

「妻だなんて、嘘だったじゃないですか。ひょっとして、私にヤキモチ妬かせたかったとか?」

私はポカン。リヒトは、どうやら激怒中。誰がバラしたのか考えている様に見える。それにしても、この人の斜め上の思考に私は付いていけない。どこをどう解釈すれば、こんな結論に至れるのだろう?

が、リヒトは無視することにしたらしい。私の手を引いて、歩き出した。何も無かったかのように・・・。戸惑ったのは私だけでなく、観光客の方も同様。

しかし、リヒトの腕を捕まえようと手を伸ばしてきたが手酷く払われた。明確な拒絶の意思を乗せたこの行動に、観光客は驚いた顔をした。

振り返りもしないまま、リヒトは観光客をその場に残して歩き続ける。一度、振り返ろうとした時、リヒトに止められた。あの、抑揚のない声で。

「振り返らなくていい。」

もし、こんな時のリヒトに逆らったら、私も同じ様に拒絶される時が来るのだろうか?あの冷たい目で、声で・・・いつか、私を。

「・・・ごめん。嫌な思いさせた。」

突然、その場で立ち止まったリヒト。見上げれば、いつものリヒトの瞳がそこにあった。それにホッとして、ついポロッと涙が零れる。

「ご、ごめんっ!!え、ど、どうしよう・・・莉亜を泣かせちゃった。あ、あの・・・本当にごめん。」

狼狽え方が尋常ではなくて、思わず笑ってしまった。

「え、どうして笑うの?」

それは、安心したからだよ・・・。
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