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【呪術廻戦】無下限恋愛

第8章 秘匿死刑


 やっぱり、怒ってたのはそのこと。


 強かったら、誰でもいい。

 始まりはきっとそうだった。


 あの人が強かったから、私はあの人にすべてを委ねた。

 そして次に現れた【最強】に、私はまた全部を預けた。


 でも本当にそれだけなら。

 私は伏黒くんとキスしたと思うの。


「……五条先生が、いいです」


 伝えたら、また涙が出た。


 こんな私を。

 あの人はなんて言うかな。


 五条先生ともう何度唇を重ねたか分からない。

 でもいつだって、こんなにも胸が高鳴るの。


「皆実」


 目と鼻の先、すべて呑み込んでしまいそうなその距離で。

 五条先生は私の名を呼ぶ。


「……キスして。僕に、皆実から」


 いつも、もらうだけだった。

 全部、五条先生任せ。

 だって、考えちゃうんだよ。


「私のキス……きつくないですか?」


 私のキスは呪いだから。

 私が快楽に溺れれば溺れるほど、五条先生が呪われるだけだから。


「そんなこと気にしてたの?」

「……しますよ」

「僕、嫌なことを自分からするほどドMじゃないけど」


 五条先生はクスクスと笑う。

 その吐息で髪が揺れて、くすぐったくて私も笑ってしまった。


「皆実の前にいるのは最強の男だよ。……皆実の呪いくらい、余裕で受け止められる」


 そう言って、また五条先生が私の唇を啄んで。


「僕に、ちょうだい」


 導かれるみたいに、私は五条先生の唇に自分の唇を合わせた。

 流れていく呪いも。

 巡る快楽も。

 全部、どうでもよくなるくらい。

 呼吸も忘れたそのキスは、苦しくて、苦しくて、甘かった。
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