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FLYHIGH(ハイキュー)

第6章 日常


ー月島side

ジンジンと痛むテーピングまみれの掌を見る

歩がギュッと握って力を注いでくれたこの手

僕らしくもないけど、ありがとうって言いたくて

昨日の夜電話をかけた

でもずっと通話中

あんな時間まで誰と話してたんだろう

疲れてたから僕もいつの間にか眠ってしまってたし

結局話せないままだった

昨日、君の瞳に僕がうつってるような気がしたのは

気のせいだったのだろうか




教室に入ると、歩はもう席に座ってた

「おはよ」

「あ、うん!おはよ!昨日はお疲れ」

「昨日さ…誰と電話してたの?」

「あ、そやそや、着信気付いたん朝やったからごめん」

「べつに」

「昨日はグループ通話してる間に寝てしもてたみたいで」

「へぇ」

女の子のグループで電話してたんだろうか

少しホッとする…と

「なぁなぁ、これ見て?めっちゃおもろない?」

そう言って彼女は僕にスマホの画面を見せる

そこには木兎さん、黒尾さん、赤葦さんと歩が四分割された写真

「昨日このメンバーで喋っててんけど、めっちゃ絵面やばない?」


その絵面は確かにヤバいけど

そしてそこに赤葦さんが巻き込まれてるのも面白いけど

それよりも

僕が昨日、電話に出ない歩のことをどんな気持ちで思ってたか全く無自覚なことに腹が立つ


「なんなのそのメンバー」

「全国行きますって連絡したかってんけど、まず赤葦さんと話してて、木兎さんと黒尾さんそれぞれに電話したら、話長いから4人でビデオ通話しよってことになってん」

歩は楽しそうに言う

僕からすれば木兎さんや黒尾さんに1人ずつ電話されるよりはずっとよかったけど、まず赤葦さんと話してた

その言葉が引っかかる

バーベキューの最中に木兎さんと黒尾さんと連絡先交換してたのは知ってたけど、赤葦さんといつの間に?

しかも2人きりで話すほどの仲だったとか…

これ以上話してるとイヤミを言ってしまいそうで、さして興味もなさそうに返事をした

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