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どうか笑って。【鬼滅の刃/煉獄杏寿郎】

第3章 おでかけにいこう!


煉獄さんがお風呂に入っている間、私はノートパソコンを開いた。

Amazonプライムに鬼滅の刃がある。煉獄さんという人間がどういう世界から来たのか、これを見ることで、煉獄さんを知ることにも繋がるのではないかと思った。煉獄さんがお風呂に入っている間、少しづつ見よう。そう思っていた矢先、

「中彩、」

ふと浴室のドアが開いた。

私はサッとノートパソコンを閉じ、近くに寄り、けれど身体は見ないように煉獄さんにバスタオルを渡す。

「よもやよもや、何から何まですまないな。」

「ですから、今はそんな事言わないでください。きっと大変なのは煉獄さんの方ですから。」

「ありがたい」

申し訳なさそうにしながらも、そっと微笑む煉獄さん。今日初めて言葉を交わした時よりも表情が柔らかくて、少しは仲良くなれただろうか?と考える。

風呂上がり、煉獄さんの髪は長いので、ドライヤーを使った。
ドライヤーを初め見た時はとても不思議そうにしていたが、使い方を話すと「便利なものだな!」と笑った。乾かすのをお手伝いしていたら、煉獄さんの香りの中に私と同じシャンプーの匂いがして、ドキドキしてしまった。煉獄さんは温かな香りがした。って変態か…私…しっかりしろ。

机の上を片付け、夜ご飯を並べた。こちらの世界に来たとはいえ、食べ慣れない食事だとストレスも溜まるだろうと、シンプルなものにした。焼き魚、野菜のおひたし、納豆、お吸い物、卵焼き。きっと服装からして、煉獄さんの世界は、幕末〜明治初期の辺りの時代背景だろう。分からないけど。

「うまい!うまい!うまい!」

もしかしたらこの人ならどんなものでも「うまい!」って食べてしまうのではないか?それでも誰かと食卓を囲むのはいいものだなぁとふと思う。一人暮らしして数年、いつぶりだろうか。作った料理を美味しいと食べてもらえる、私はとても幸福感を味わった。

「中彩も食べなさい」

ふと彼を見つめていたら、箸を止めていて、私に微笑んでいる。着ているのは今日買いに行ったユニクロのTシャツにスエット。なんだか不思議な感じだ。

「は、はい、いただきます!」

もぐもぐと食べた。美味しかった。そんな私を煉獄さんは一層満足そうに優しく微笑んだ。どんな時代でも、どんな世の中でもご飯は美味しい。それだけで、何も知らない煉獄さんと私が分かり合える気がした。
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