第1章 波羅夷空却 1
「私の気持ちか…くうちゃん、私…」
「美月、今日で幼馴染卒業して、彼女になってくれ」
まっすぐ私の目を見ながら金色の目が揺れる
「くうちゃん、私でいいの?」
「なにいってんだ、美月。拙僧はガキの頃から、美月が好きだった。これからもずっと一緒にいたい」
「くうちゃん、私もずーっと好きだったよ。たぶんくうちゃんより前から」
「いや、拙僧のほうが先だ」
何だか言い合いになって、二人で笑いあう
「美月…」
顔が近づいてきたと思ったら、チュッと唇が重なる
「く、く、くうちゃん!ここ、外!」
「いいじゃん、誰もみてねーよ。さっ帰るぞ」
すっと立ち上がり、手を差し出す
私はその手を握り、そのまま歩き出したくうちゃんについていく
「ふふっ」
「なんだ?」
「何回も繋いだことあるのに、今日は新鮮だなって」
家に着くまで、ずっと手を繋いで他愛のないおしゃべりをした
これからは会いたい時に会える!
って思っていたのに、くうちゃんは東京にいってしまった…
この騒動はまたの時に…