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Memories of Tomorrow

第2章 後日談 after the cloudy


  Nside

 正直、俺も翔さんにしたことは反省しているが、かといって彼に全く非が無いわけでもない。彼はあまりにも、不器用すぎるのだ。

 ざわざわ、と楽屋は騒がしい。メイクアップを待っている間、俺はのんびりと、取り留めのないことを思案していた。

 あの日、翔さんは明らかに嬉しそうにしていた。迷彩柄のキャップで喜ぶ人も珍しいけれど、彼のことだ、俺をずっと気にかけていてくれたんだろう。恐らく、リーダーも巻き込んで。
 明らかに俺を見る目が変わっていたのだから、気付かない方がどうかしている。

 あれから季節は巡り、今日は俺の誕生日。つまりは、半年近くが過ぎ去ったのだ。
 俺たちは、お互い謝ることも何もせずに、何もなかったように、今まで通りに「嵐」として活動している。
 俺と翔さんとの関係は、ただの「磁石」というコンビであり、中学生の時から一緒の「幼馴染」であり、……俺の、「初恋の相手」なだけ。ただのそれだけのこと。

 翔さんのことは、確かに好き、なのだろうけれど、発展を望むことは無い。彼が俺に振り向いてくれることなんて、無いだろうから。勿論発展があれば、それに越したことは無いのだけれど、翔さんは、きっとこんなアブノーマルな恋愛は望んでいないはず。だから、遠くから彼を眺められるだけで、それで良しとしよう。 
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