第4章 朝日
午後の忙しさが少し引いた頃
入り口の方から声が聞こえた
「…お疲れー…」
「おー…響也」
『響也!おはよ』
嬉しそうなナナに
響也は笑顔を返した
「…おはよ」
「これから出勤か?」
「…んー。……その前に…ナナがサボってないか偵察に来た…」
響也はそう言ってカウンターのスツールに座ると
ニヤリと笑った
『何それ?ヒドーイ…店長!私、すごく真面目にやってるよね⁇』
「あはは…」
『笑ってないでちゃんと言って!』
「分かった分かった… ナナは真面目だよ」
『ホラ!聞いた?響也』
「…クスクス」
その時
常連の客が店に入ってきた
『…ぁ…こんにちは!』
「ウッス…ナナちゃん」
『…わ……そのシャツ…この間のですよね?』
「そーそー…コレ…すげー着心地良くて気に入ったよ」
『良かったぁ』
「今日はさ…来月のライブで着る服探しに来たんだ……また相談に乗ってよ…」
『ハイ♪』
ナナの接客を見ている響也の前に
隆司がコーヒーを置いた
「…サンキュ………すっかり慣れたみたいだな…」
「…あぁ…すごいよ……彼女目当てのお客がどんどん増えてる………センス良いし…接客も丁寧だし……それに……やっぱ…あの笑顔がいーんだよな…」
隆司の言葉を聞いた響也は
とても嬉しそうに微笑んだ