第5章 舐めプとは真逆
『じゃじゃーーん!今日の夕飯はドレス・ド・オムライスでーす!スフレオムライスと迷ったけど今日はこっちにした!ささ、冷める前に食べようー!』
先に作ったものは相澤の座る方のテーブルへ運ぶ。
『私の分今から作るから先食べてー。』
そう言いながらキッチンへ戻る。
相「…いただきます。」
静かにオムライスをスプーンですくい、一口。
相「……。」
『ど、どう…?』
相「美味い。」
『やったー!!今日も消太の「美味い」頂きましたー!』
自分の分もちゃっちゃと作り、相澤の前の席に着く。
『やっぱり美味しいって言ってもらえると作った甲斐あったー!ってなるし、めっちゃ嬉しいんだよね!それに消太と一緒に食べるご飯なら、私のどんな料理食べても美味しいって感じてもらって、幸せになってもらいた……』
待て、私。
待て、阿吉良。
思わず言っちゃったけど、これ、軽く、告白、なのでは………?
遠回しに言っちゃってるのではーーーー!?
『あ!ええええっと!つまりなんというか!いくら事情があって一緒に住んでるとはいえ身内みたいなもんだって私が勝手に考えてる
だけで!!!なに、その、なんていうの!かか勘違いされるようなアレじゃなくて…!!!』
相「…ああ、俺も誰かとメシ食うなら美味い方が良いし、第一阿吉良が作るもんはどれも美味え。」
『は、へ…、えっと…。消太…?』
相「つまり俺達は合理的。相性がいい。」
『ご、合理的…、相性…?』
相「ああ。俺たちの考えは今一致しているの確認しただろ。」
『えっと…それじゃ、ただ私は勝手に自分の発言に勘違いして勝手に騒いで…。』
頭がぐるぐるする。
相「騒いでんのはいつもだろ。」
『…はい、ソウデスネ…。』
両手で顔を覆い隠す。
いくら勝手な勘違いとはいえ、恥ずかし過ぎる。
顔が熱い、耳もじんじんする。
心臓の音もうるさい。
相「そんなことしてねぇで早く食べて、先風呂入れ。」
『………はい。』
ただ、勘違いしただけなのに、なんでこんな慌ててるんだ、私。