第5章 舐めプとは真逆
本来、普通の学校、学科であれば入学やらなんやらあるのだが、この雄英高校ヒーロー科は違う。
入学式などやっているであろう時間に、個性把握テストというものをやり、下校となった。
なったのだが私、修羅 阿吉良は下校が出来ない。
個性把握テストで、エネルギー調節が適わず、見事エネルギー切れにて保健室のベッドで横になっていた。
一応これでも、プロヒーローの資格は形だけあるのだが。
とにかく情けない。
今は高カロリーのものを出来る限り摂取しながら、雄英高校の教師を勤める監視官兼同居人兼ほぼ保護者である相澤消太の仕事が終わるのを待っている。
人一倍どころか、人よりも何十倍何百倍と高燃費な私(個性)は、逆又も然り。
摂取したエネルギーは早急にエネルギーとして使うことも可能な上、身体の一部となり、一般の人間よりも少ない運動量で身体を作る事ができる。
そこは不幸中の幸いというか。
ただ、またエネルギー切れになると身体にある脂肪や筋肉をまた強制的にエネルギーとして変換されるので、とにかく食べなければならないのが難点だ。
意識が戻ってから食べた物は、ゼリー4袋、板チョコ10枚、ポテチ5袋、アイスクリーム1キロ、ジュース4リットル…。
覚えてる限りではそれくらい食べた。
相澤がわざわざ食べさせてくれたゼリーで、他のものを食べるエネルギーを生成し、そこから15分で食べたのがこれらなのだが。
この短時間で約8500kcalも摂取した。
とんでもないカロリーだが、これでやっと普通に動けるようになり、顔のコケもなくなった。
ミトコンドリアを酷使しまくっているのは、この高燃費さを知っている人物からすれば公然の事実。
色々と病気になりそうと私自身心配しているが、幸いこの人生で大きな病気にかかったことがない。
こんな呑気に自分語りしているが、一気にエネルギー生成したせいなのか睡魔に襲われている。
負けないようにこのように自分語りしているのだが。
相澤に帰り迎えに来て一緒に帰るからここにいろと言われているので、勝手に帰ることはもちろん、ふらふらしていたら怒られそうなので、リカバリーガールもいない保健室でひとりぼーっとしているしかなかった。