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桃紅柳緑【鬼滅の刃】【R18短編集】  

第10章 ※交淡如水 【冨岡義勇】 2 完


担当11カ月目

柱稽古も終わり、決戦が近いのでピリピリした雰囲気になって来た。
あやは、しのぶの所に呼ばれる。
「あや。あなたは決戦の時が来たら戦いよりも隊士の治療を優先しなさい。」
と、言われ、戦いには行くが絶対に無理しない約束をした。剣技が優れているわけではないのでよく状況を見て動く様にと。
その日から、難しい治療やいつも使わない薬についてアオイと一緒にしのぶさんから教えてもらった。


決戦の日に義勇は大怪我をした。

みんなが無惨を倒した後に、あやが戦場に駆けつけると、義勇は刀も折れて隊服も羽織もボロボロになり、右腕は無くなっていた。それ以外の怪我もひどかった。
「義勇!」
あやは義勇の前に行き、声を掛ける。
抱き付きたかったが、ケガの様子が分からないので、一瞬 間を置く。
義勇がちらりとあやを見て、少し笑って左腕を拡げてくれたのでそっと抱き付いてわんわん泣いた。
耳元で、「あや、泣くな。大丈夫だ。」
と言った後、義勇は意識を失ってしまった。

しばらくの間、義勇は意識不明になっていた。義勇の「大丈夫」は本当に当てにならない。

義勇の意識は無事戻り、少し落ち着いた頃に鬼殺隊は解散になった。

あやは、義勇の屋敷に毎日通った。体の治療もあるし、片腕になっての生活にまだ慣れておらず、一人での生活するのは不便そうだった。
何より、あやは義勇の世話以外の他の仕事が無かった。

蝶屋敷はアオイとカナヲがいるし、不死川はあやが義勇と仲が良いと知っているから、「冨岡の女が他の男の家に一人で来んじゃねぇ」と言って屋敷に行っての治療や世話をさせてくれない。
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