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し ん あ い【鬼滅の刃/煉獄/R18】

第15章 衝突




~夢主side~


ついに杏寿郎が出張に行く日が来てしまった。


あれから何回も言おうとしたけど、タイミングが悪かったり、いざ言おうとしてもなんだか言いづらくて…
別に疚しい関係でもないのに、どうしてこんなに渋ってしまうのか自分でも不思議。

それはきっと逆の立場なら、私は絶対不満を抱えるから…今までは遠慮がちに杏寿郎を好きでいたけど、今は…杏寿郎を独り占めしたい。それは杏寿郎も同じだって、この前私に言ってくれた。


そんな不安を抱えながら、今玄関口で大荷物の杏寿郎を見送るところなんだけど……


「杏寿郎…?」

「なんだ?」

「あのっ…そろそろ行かないと遅れちゃうんじゃ…」


さっきからずっと私をぎゅうっと抱き締めたまま。多分5分は経ってる。


「むぅ…わかっているんだが、これから暫く陽奈子を抱き締められないと思ってしまうと、どうも離れがたくてな…」

「私もそうだけど…でも、そろそろ本当に行かないと」


名残惜しそうにそっと身体を離すと眉を下げて寂しそう。なんだか迷子の仔犬のよう…


「ふふっ。可愛い」

「なっ!可愛いとはなんだ!俺が寂しそうにしてるのは、そんなに可笑しいか?」

「ううん。嬉しいよ?私だって同じ気持ちだもん…」


そう言ってまた抱き締めると「早く帰って来てね」と触れるだけのキスを落とした。
そうすると、下がった眉はいつも通り凛々しくなって、またお日様のような笑顔を向けてくれた。


「あぁ。なるべく早く帰れるよう、仕事を片付けてくる!連絡もまめにするから…」

「うん、待ってる」


別れ際にもう一度…今度は少し深く口付けあって、離れると杏寿郎は「行ってくる!」と行ってしまった。


「はぁ~………」


寂しいからなのか、結局言えなかったからなのか…。
大きなため息を吐いて、渋々と私も出勤するための支度に取り掛かった。


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