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し ん あ い【鬼滅の刃/煉獄/R18】

第7章 疼き *





咄嗟に抱き締めて、そのまま倒れ込んでしまった。



陽奈子を押し倒すような形で…


「杏寿郎…」

気がつけば陽奈子の顔は目の前。
ふっくらした唇、赤く染まった頬、何より俺の理性を崩そうとするのは……

この密着してしまった体勢だ。

「…っ、す、すまないっ!!」


このままではまずいと思い、急いで離れる。


はずが、離れない。

「杏寿郎…」

いつの間にか陽奈子の腕が首に回され、動けなくなっていた。
至近距離で視線が合えば愛おしそうな瞳で俺の名前を呼ぶ。


こ、これはっ……離れなくてはっ!!


そう思った瞬間、陽奈子からキスをされた。
そっと触れるようなキスだった。


「よもっ!!!陽奈子…ダメだ…これ以上は……」

陽奈子の腕をほどいて、離れると悲しそうな顔で俺を見つめる。

「今日の杏寿郎、なんか変、だよ…?どうしたの…?」

「…すまない。」

なんと説明していいかわからず、ただ謝ることしか出来なかった。
きっと陽奈子は拒絶されたと思っているだろう…
誤解を解こうと向き直ると、悲しそうな瞳が揺れていた。

「陽奈子!ち、違うんだ!決して君のことが嫌な訳ではない!いや、むしろ大歓迎なんだがっ…お、俺は何を言っているんだっ……そのっ…」

言っていることが支離滅裂なのはわかっている。
どこから説明していいか分からず、焦って上手く言葉が出てこない。

「杏寿郎…ホントに…?」

「勿論だっ!!」

「よかったっ…」

安心したのか、俺をぎゅっと抱き締めてきた。

「すまない、不安にさせてしまって…陽奈子、聞いてくれ。」

それに答えるように俺も抱き締め返す。
そしてきちんと話そう、打ち明けるべきだ、と再び陽奈子に向き直る。

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