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冬に手を温める話

第1章 教室で、君と



「っう、やめ……んん、」


薄暗くて寒い教室。唇を塞がれ、机に押し付けられ。
『また』彼は私を抱く。合意も求めず強引に。ただただ、自分の性欲を満たす為だけに。

「ふふ、好き。もっとちゅーしよ?ん、」


そんなの、思ってないくせに。好きなんて、都合のいい身体の関係としか思ってないくせに。

「っ、ゃめて……思ってないのに、好きなんて言わないで……」

「……言うよ。思ってなくても。思い込みたいから大好きって言う。」

ずるいなぁ。好きじゃなくても好きって言ってくれる。私は、本当に好きなのに。口にしたら壊れてしまいそうで。この関係から抜け出せないんだ。

「じゃあ、いつも……みたいに、はやく終わらせて。」

「ふふ、素直なのは嫌いじゃないよ。」

もっと…好きって言って、嘘でも本当は、嬉しいから。また今日も無意味に身体を重ねて。付き合ってるわけじゃないし、付き合ってもらえるはずもないの。でも、この危うい関係に縋っていないと貴方に向かう愛が溢れて、私が壊れてしまいそうで。
ずっと、手放せずに抱え込んでしまう。
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