鏡の国で魔法にかけられて…‧*˚✩︎‧₊˚【ツイステ】
第6章 ジェイド 危険なうつぼの狂愛꙳✧˖°⌖꙳
彼女は自身の魅力に気づいていません。
莉冬さん、雄の姿をしていても、貴方の魅力的な本質は隠せないのですよ?
レオナさん、ヴィルさんは彼女が雌だと気付いていらっしゃったので、以前から警戒はしていたのですが…。
僕がいない隙をついて彼女に近づき、マーキングするとは…宣戦布告でしょうか。ふふふ…受けて立ちますよ?
あの疎そうなエペルさんでさえ、莉冬さんに気を引かれてしまうとは…迂闊でした。
SNSの裏垢にも、好きな子には"白鳥の細工切り"をしてあげると呟いていらっしゃいましたしね。
開きかけた蕾は早急に摘んでしまいましょう。
まったく…僕の可愛い番は本当に困った人です。
無自覚にいとも簡単に雄を魅了してしまう。
いつも僕が先回りをして他の雄との接触を防いでいるのですよ。
常に側にいて、僕しか見えないように、僕のことしか考えられないように、彼女を僕だけの檻に閉じ込めていたのに…。
彼女はそんな檻の中から数日間解放されたことで、他の雄に興味を持ってしまったのでしょうか。
ふふふ…そんな事、許されるはずがありませんよ?
さて。どうしましょうか。
「おーい?ジェイドぉ〜!!聞いてるー!?」
物思いに耽っていたジェイドの視界に、突如フロイドが飛び込む。
「おや?これはこれはフロイド。すいません。少し考え事をしていました。」
「ねぇねぇ!明後日、俺らの誕生日じゃん?0時からモストロラウンジでド派手にパーティーしよーよ!」
「っ…!!誕生日…失念していました。」
「はぁ!?誕生日忘れるとかジェイドやばくね!?小エビちゃんと何かあったの?」
「フロイド、まさに目から鱗です。…あぁ。ふふふふ…僕とした事が…だから3日間なのですね…」
緩む口元を片手で押さえても、隠しきれない喜色に溢れてしまいます。
なんて愛らしい番なのでしょう。
莉冬さん、全ては僕の誕生日の為ですね?
「それでパーティーは?!するよね?ねっ?」
「申し訳ありませんが、僕は不参加でお願いします。アズールや皆さんと楽しんでください。ふふ…僕は名案を思いつきましたので、アズールに会いに行ってきます。」
「えぇ〜!?小エビちゃんも連れてこれば良いじゃーん!!」
「すいません。僕たちは別の形でパーティーに参加しますので…」
ジェイドはにっこりと含み笑いをして、部屋を出る。
