第1章 勘違い:Na
「じゃんけんぽん!」
「Nakamuおにー!」
「じゃあ10秒数えるよ!」
10…9…8…
こんな毎日が続くと思っていた。
私とNakamuとシャークんときんときの4人は小学生時代、学校が終わると毎日のように遊んでいた。
鬼ごっことかサッカーとかバスケとか。
私達はこの4人を“いつものメンバー”と呼んでいた。
そして卒業式。
私は3人に言った。
「中学生になってもたまにでいいから遊ぼうね!」
みんなは笑顔でうん!と言った。
中学校の入学式から2ヶ月がたった。
クラスは私とNakamu、きんときが同じクラスでシャークんは私達とは違う階のクラス。
それでも、昼休みや部活がない日はいつものメンバーで遊んでいた。
そんなある日のことだった。
私は告白された。
遊びの帰りに、
…きんときに。
「俺は心優が好きです。付き合ってください」
きんときの顔は夕日のせいか赤く見えた。
突然の告白に私が戸惑っていると、きんときはニコッと笑って
「返事は今度でいいよ。それじゃっ」
と言って帰っていった。
私は……きんときが好きなのかな。
好きになる、恋をするってどういうこと?
付き合うって何をするんだろう。
きんときは優しくて顔もよくて……
これが好きってこと?
そうか。
私はきんときが好きだったのか。
次の日、私はきんときに
「あの、昨日のことだけど……いいよ」
と伝えた。
きんときは嬉しそうに笑って、
「ありがと!」
と言った。