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自由の翼を掴む話【進撃の巨人】

第11章 ハンジの相談室





ハンジは食堂に入るなり、

「エマ!本は?持ってきてくれた?」

と、相変わらずの力強い声で
パンを皿に乗せるエマに声をかける。




「・・・エマ?」

ハンジがエマの顔の前で
両手をひらひらとさせると、
エマはハッと我に返り

「ハンジさん!あ!本!」

と言いながら、皿を落としそうになる。


「ちょっとどうしちゃったの?慌てすぎ!」

ハンジはエマが持っていた皿を
机に置く。



「エルヴィンの部屋、行ったんだよね?
本、見つかった?」


「あの……エルヴィンさんの部屋には
行ったんですけど……忘れてました……」

エマはうっかり何も持たず
部屋を出たことを思い出した。


「あははは!エマ、
何しにエルヴィンの部屋に行ったの?」

ハンジはそう言って笑うが、
エマの浮かない表情を見て、

「……もしかして、エルヴィンに何かされた?」

と、小声でエマに耳打ちした。


「!なっ、いや、なにも!!」


「……その反応、
分かりやすすぎてどうしよう。」

ハンジのその言葉に何も返せず黙るエマに、

「まぁ、そう簡単に話せることでもないのかな?
一応私の上官の話だし。
これ以上聞かないから、そんな顔しないの!」

そう言って強く肩を叩く。


「……すみません。
私もちょっと動揺していて、
何て言ったらいいか……」

エマは俯くと、また黙ってしまう。


「……そうだね。
もし私で力になれることがあれば、
話してくれたら相談に乗るからね。」

ハンジはくしゃくしゃとエマの頭を撫でると、
食堂から出て行った。



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