第11章 明けた朝
星波の意識が戻ったのは完全に日が昇ってからだった。
「…ん…。」
「星波!?星波っ!」
「子ども…は?」
「あぁ!元気だぞ!元気な男の子だ!」
「そう…良かった…」
「今千寿郎を呼んでくるな!」
赤子を抱いた千寿郎を呼び戻ってきた杏寿郎は星波を支えて、上半身を起き上がらせる。
「不死川にそっくりな、銀髪の子だ!」
千寿郎に抱かれた子を見ると、不死川をそのまま小さくしたようなかわいらしい赤子がスヤスヤと寝ていた。
「はじめまして、風弥(ふうや)くん。」
星波が愛おしそうに見つめる。
「風弥か…いい名だ。」
杏寿郎は優しく微笑む。