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夢幻泡影【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第17章 開幕のファンファーレ【反省】


「重めの任務をいくつかこなしてもらおうって振ったけどさぁ……『重め』ってそういう意味じゃなかったんだけどなぁ」

 まさか、これほどの事態に直面するとは誰も思わなかっただろう。

 星也自身、裏であれほど強大な力を持った特級呪霊が控えているなど考えもしなかった。

「例のツギハギの特級呪霊、逃がしちゃったんだっけ? 珍しいね、オマエが祓いきれないなんて」

「すみません。【騰蛇】や【勾陣】にも命じましたが、追いきれなかったみたいで。占もしたんですが、どういうわけか、完全に撒かれました」

 この二体は戦いに特化した式神で、単独で特級呪霊とも渡り合える。その分、細かく考えるのは不得手。特に【騰蛇】は視野がやや狭い。

 それでも、索敵特化の式神を使ったり行き先を占じたりもしたが、どういうわけか追跡できなくなった。

 自分の力不足だ。あの呪霊は祓っておかなければどんどん彼の実験の被害者が増えることだろう。

 だが、真人を祓える術師は限られている。

 虎杖の攻撃は効いたが、自分の攻撃はすぐに回復された。

「魂の形を変える」という真人の発言から考えると、そこに影響を与えられなければ攻撃すら通せない。

 事前の情報と準備不足が敗因だ。次は必ず……!

 ギュっと拳を握っていると、五条が身を乗り出し、ピシッと額を弾いてきた。

「悪い癖」

「は?」

 意味が分からず首を傾げると、五条は「ま、この話はもういいや」とソファの背もたれに背を預け、天井を仰いだ。

「で? 順平の家にあった指について二人には?」

「言ってませんよ。悠仁に不要な責任を感じさせたくありませんし。吉野くんにも、呪物であるということしか伝えていません」

 いずれ知ることになるかもしれないが、一度に多くのことを伝えては混乱するだけだろう。

 母の死と、慕っていた者に殺されかけた事実。
 それだけで絶望を感じるには充分すぎる。

「オマエに任せてよかったよ。で、指は?」

「提出済みです。先生に渡したら、悠仁に食べさせるでしょう?」

 チッと舌打ちする五条を見るに、図星のようだ。
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