• テキストサイズ

【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第14章 意外な一面


『…大切な人との食事って幸せですよね。』

そう言うロゼは悲しそうだった。あぁ、此奴、婚約者が居たんだったなと思い出した。記憶喪失になった男…好きな奴に忘れられるってどんな気持ちなんだ。

『貴方にもそういう普通の一面があったのは意外でしたけど!』

てへっと悪戯っ子のような笑顔を向ける此奴。前言撤回と言いたい所だが、過去を聞いてしまった俺からすればこの笑顔は本当の此奴じゃないと思った。

「…お前は居ないのか?大切な奴。」

『今は居ませんよ。』

(今は、か。)

『それにいつ死んでもおかしくない私はそういうの相手にも迷惑かなって。』

ふふっとまたあの笑顔を向けてきた。

「…そうか。」

『貴方は?居るんですか?』

視線を合わせず聞いてくる。俺は…と答えようとしたが大きな声に遮られた。

「ミスティさん、出来たよ!」

『はい、今参ります。』

そう言うとロゼは俺の傍を離れて行った。

──
暫く2人の様子を見ていた俺だったが、そろそろ戻ろうかと腰を上げた。セツナのせいでどっと疲れた俺の目の前に何かが差し出された。

『食べます?チョコレート。』

チョコレートを差し出すロゼが居た。

「いや、いい。任務中だ。」

『疲れには糖分かなって。でも、そうですよね…』

俺の心配をしたのだろうか。残念そうにそのチョコレートを自分の口に入れ、作業に没頭するアリス様の所へ戻ろうとしたロゼ。

グイッ

『えっ』

俺はロゼの腕を掴み引き寄せキスをした。

『んっ…!』

親指でロゼの顎を少し下げると簡単に開いた。俺は迷わず舌を入れロゼの口内を味わった。溶けていたチョコレートが絡みつきピチャっと嫌らしい音を立てる。

『…んふっ…ん』

アリス様に気付かれまいと声を我慢する此奴の感じが堪らない。何度も角度を変えキスを味わいながら此奴の細い腰を引き寄せた。豊満な胸が柔らかさ故2人の間で窮屈そうに形を変える。

(やべぇ…ヤリてぇ)

俺はこのままロゼを抱きたい衝動に駆られたが任務中で近くに居るアリス様の事を考え残り僅かな理性を総動員させ唇を離した。トロンとした目の此奴に印を残したくて深く開いた胸元に顔を埋め吸い付いた。

「美味かった」

そう言うと身体を離し部屋を出た。
/ 398ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp