【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第9章 仕事を忘れて
──ここはセントポプラ
綺麗な街並みが自慢の別名"春の女王の町"
昼下がりのカフェに美女が2人、周囲の視線を集めている。
「それで?ルッチには相当しごかれたようだけど。」
『そうですね…身体中傷だらけで。』
「ふふっ…どうりでルッチが楽しそうだったわけね。ご愁傷様。」
眼鏡をくいっと上げながらカリファは微笑んだ。
カリファの休暇も今日で最後の為、カリファの提案で2人はショッピングでもしようかとセントポプラに来ていた。お茶をしようとカフェに寄り、綺麗な街並みを一望出来るテラス席を選んだ。紅茶とスイーツをそれぞれ注文し話は我らのリーダー ロブ・ルッチのこと。
『…でもお陰で動きに無駄がなくなったような気がします。反応も早くなった。』
ミスティは服の上から傷の残る腕を擦りながら答えた。
「短期間での六式の取得自体凄いことよ?自信持ちなさい。元々政府の役人なんて男社会。女が必要とされることは身体を使った任務ばかり。所謂ハニートラップばかり。」
『…カリファさんも経験が?』
「そうね、私もある。だから強くならなければならないって思ったわ。」
『…CP9に配属された時に言われました。女と男の力の差は歴然だから女は女の部分を磨けと。』
「まぁ!ジャブラに言われたの?…はっ!?まさか長官?セクハラよ!!」
あらぬ疑いが仲間にかかってしまいそうでミスティは慌てて答えた。
『いえ、CP8所属のスティルハート・レインという人に…』
「あら、レインに?」
『お知り合いですか?』
「同期なのよ。彼と私。でも珍しいわね。彼がそんなことを言うなんて。」
カリファは不思議そうに言った。
『カリファさんには優しいんですか?カレンから聞きましたが凄くモテると…』
「確かにモテるわね。あのルックスでしょ?それにミスティは見たことないと思うけど彼、ルッチが認めるくらい強いのよ?周りがほっとかないわね」
『そうなんですね…』
「まぁ私が珍しいって言ったのはそこじゃなくて。彼モテるから言い寄られることが後を立たなくてね。女に辟易してるからミーハーな女達とは基本話さない。まぁ、その寄せ付けない雰囲気が逆効果なんだけどね。」
ミスティは出会った時のレインの雰囲気を思い出し、あぁ…と納得したがあれがモテる理由は理解出来なかった。