【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第60章 パンクハザード
───研究所内
「"M"どうしましょう、ロー氏とスモーカーがドハデな戦闘を…」
「……!!!ローの奴何考えてんだ!!追い返すだけの手筈だろう!!」
Mと呼ばれる気体状のそれは、部下からの報告に怒りを露にした。
「例の脱走した海賊達がビスケットルームのガキ共を連れ出し玄関でハチ合わせた様で…!!!」
「海軍に見られたのか!!!ガキ共を!!!」
「ええ……」
「一番恐れていた事だ…!!もうこの島は怪しまれた!!スモーカーをここで殺した所で軍は異変を察知する……!!」
手にしていたグラスを握り潰し怒りに震えた。
そんな中、マイペースな声が聞こえた。
「───やっぱりいたわ」
「!?」
「コイツらに間違いない…うふふふふ……」
状況が分かっていないのか、喜んでいるように見える声の主を怒鳴る。
「帰ってそうそう何してるモネ!!」
モネと呼ばれた女。緑の髪に女性らしさが溢れる身体付きは男を虜にする容姿だ。
だが、彼女の見た目は人と呼ぶには無理がある。それもその筈。肩から伸びる腕は羽に覆われた大きな翼。そして身体付きからスラリと伸びる脚が連想される筈の部分は猛禽類のような鋭い爪を持つ4股に別れた趾から成る。彼女は人面鳥、所謂ハーピーなのだ。
「ホラ、コイツらに間違いないでしょ!?」
モネは偵察時に見た海賊達についての新聞記事を見せながら嬉しそうに言った。
「……麦わらの一味…!?」
───
ローは静かに女を見下ろした。
「なんて屈辱!!斬られて息をしているなんて…!!!」
うるせぇ奴だな、とローは思った。
「斬るならば殺せ!!!トラファルガー!!!」
「心ばかりはいっぱしの剣豪か?───よく覚えとけ女海兵…」
嘗ての自分が過ぎった。
「弱ェ奴は死に方も選べねェ」
「……!!!」
目の前の女は歯を食いしばり悔しさを滲ませた。そして、自らの尊厳と誇りがそうさせるのか、敵わないと分かっていながらも折れた刀を必死に振った。
「おのれ!!!」
「そんな刀じゃ届かねェ」
ローは哀れだと思った。弱い奴ほど、しぶといと。
「気に入ったんならもっとキザんでやるよ」
「!!」
「てめェおれ達の大佐ちゃんを侮辱してんじゃねェよ!!!」
ドン!!ドドドォン!!
G5のメンバーはロー目掛けてありったけの銃弾を撃ち込んだ。