【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第6章 CP9
拳法家男はジャブラ、歌舞伎男はクマドリ、風船男はフクロウと言うらしい。
(…ロブ・ルッチが居ない。)
ミスティはCP9最強と言われる男の姿が見えないことに首を傾げた。
「他に4人居るが任務の為ここを離れている。戻ってきたら紹介する。ルッチも居ないからなぁ…ジャブラ、それまでお前がミスティと任務に付け!」
「はぁー!?何で俺が!?しかもルッチの代わり!!」
『…宜しくお願い致します』
「っ!…おぉ、宜しくな。」
(この男、案外チョロいかも…でも良い人そう。)
皆と別れ、給仕に案内され与えられた自室に来ていた。
『ふぅ…』
「お疲れのようですね…ハーブティー召し上がられますか?」
カレンと紹介された給仕がミスティに心配そうに声を掛けた。
『え、あぁ。お願い出来ますか?』
「畏まりました。今お入れしますね!」
CP9には各自に立派な自室が与えられ、専任で給仕が付くようだ。ハーブティーの準備をしてくれているのだろう。カチャカチャと鳴る音が心地好い。
「お待たせしました。」
差し出されたティーカップからは白い湯気がほんのり上がりふわっと良い香りがする。
『…これラベンダー?』
「はい!ロゼ様は本日初めてこちらにいらしてお疲れかと思いましたので…ラベンダーはリラックス効果がありますので気持ちも落ち着かれるかと。」
『…有難う、カレンさん。』
お礼を言うと急に慌てる彼女。
「!!私はロゼ様の給仕です!!カレンとお呼び下さい。」
『…分かったわ。なら私もミスティと呼んで貰える?』
ミスティの言葉に先程より更に慌てる彼女。
「いぇ、一給仕がそんなこと!身体を張ったお役目のロゼ様をそんな…」
『私、歳が近い人が居なくて話し相手も居ないから…貴方とは仲良くしたいの。だから呼んで貰えない?』
カレンは目を見張った。政府の役人に仕え数年が経つが、かつてこのような役人が居ただろうか?給仕なんてただの雑用。身の回りの世話をする小間使いにしか思われなかった。
(この人は…)
「…畏まりました。ではそのように。ミスティ様///」
照れたようにミスティの名前を読んだ彼女はとても可愛かった。
『これから宜しくね、カレン!!』
ラベンダーの良い香りが部屋を包んでいた…