【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第28章 大参謀つる
目の前の女性はふっと口元に笑みを浮かべ言った。
?「アンタとは1度話をしてみたいと思っていたのさ。少し時間はあるのかい?」
ミスティは少し迷ったがコクンと頷き了承の意を示した。
?「ならこっちに来なさい。お茶でもしながらガールズトークでもしようじゃないか。」
『ガールズ…?』
ミスティは促されるまま女性の後について行った。
──
?「お上がり。」
『…有難うございます。戴きます。』
ミスティは出された紅茶に口をつけ、ごく自然に美味しいと呟いた。
?「そうかい?それは良かった。私は茶菓子を摘みながらお茶するのが好きでね。」
シワのある顔が優しく微笑んだ。ミスティは此処に連れてこられる間に考えていた事を口にした。
『貴方はもしかして大参謀と言われている中将つる殿ではありませんか?』
「おや、知っていたのかい?」
つると言えば、海軍本部中将の1人で大参謀の異名を持つ海軍の中では珍しい頭脳派な人物だ。海軍歴も長く同期には現在の元帥センゴクや海軍の英雄と言われているガープ等が居る。男社会の海軍で女性でありながら今の地位を築くつるをミスティは密かに尊敬していた。
『やはりそうでしたか。非礼お許し下さい。私はCP9所属ロゼ・ミスティです。』
「知ってるよ。諜報力はピカイチだそうじゃないか。それにあのネーベルを一撃で仕留めるとは大したもんだよ。」
『いぇ…運良く助かりましたが相討ちのようなものでしたので。』
(クザンの言う通りの娘だね…)
つるはミスティの謙遜ぶりを見てそう思った。
「アンタは女なんだよ?女はどうしても力じゃ男には勝てない。能力者や種族により違いはあるけど自然の摂理だからね。自信を持ちな。それよりもレインだよ。あの子も一緒に居たんだろ?女1人守れないとはまだまだだよ。あの子も。」
『…彼を知っているのですか?』
「あぁ、知ってるよ。負けず嫌いでね、勝負に負けると悔しくて泣いてたあの子がもう24…今では世界政府の役人として立派にやってるようだけど。私からしたらまだまだ子供だよ。」
今の完璧過ぎるレインしか知らないミスティはつるの話を聞き昔のレインを想像した。
『ふふっ』
「おや?アンタそんな顔するんだね。」
そう言われたミスティは不思議そうにつるを見た。