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【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第2章 自由を求めて


──この日は"偉大なる航路"よりゴア王国にかの世界貴族がやってくる日。艦の着港に向け盛大な式典の準備が整っていた──


「いい天気だ…!!今日は船出日和だ!!…なぁ、ミスティ!!」

『そうだね!快晴!良かった~』

2人は小舟に乗り沖へ進んでいた。


火事の後、2人は今後のことを話し合った。お互いの家を捨てることになるし、予定より数年早い船出になる。でも、2人の状況を考えると今しかない。今を逃せば、2人は離れ離れになり決められた相手と結婚させられ、自由とはかけ離れた生活を余儀なくされる。
迷いはなかった。

"新しい世界で自由に生きる"
"これからはずっと一緒だ"

まだ10歳の少年と少女だが、二人の間には、お互いの存在がなくてはならない強固な絆があり、愛しいという感情もお互いが持っていた。

「なぁ、ミスティ…ちょっとこっちに来てくれ」

波の様子を見ていたミスティにサボは声を掛けた。

『何?』

「後ろ向いて!早く!」

『え、何!?ちょっとちょっと~~~』

無理やり後ろを向かされたミスティは、戸惑いながら背中を向けた。するとミスティの視界にキラっと光るものが一瞬見えた。少しして首周りに多少重みのある何かを感じたミスティは胸元に視線を向けた…

『え?これ…』

「プレゼント!俺からミスティに!今日は俺たち2人の特別な日だかららその記念だ!」

ミスティの首元には綺麗な青い石のネックレスが掛けられていた。

『…綺麗。絵本で読んだセレナ姫が付けていたネックレスみたい。』

「あー、ミスティならそう言うと思った(笑)好きだもんな、セレナ姫!」

セレナ姫とはミスティが好んで読む絵本の主人公だ。お姫様なのに剣を持って戦う姿はミスティの憧れなのだ。

『だって綺麗なお姫様なのに強いって最高じゃない!!私もあぁいう風になりたい!』

「ミスティには無理じゃね?力無いし喧嘩とかしたことないだろ?」

『む~~~。でも、これからは海に出るんだから私も強くなる!サボだけじゃ大変だし!』

ふんっと鼻を鳴らすミスティ。

(いやーキツイだろ。お嬢様育ちだし剣なんか持ったら事故だ、大事故!!!)

「あーまぁ俺1人で大丈夫だ。」

『…無理だって思ってるでしょ?(ジトーっとサボを見る)』
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