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【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第18章 大事な女


「ん…」

明け方に眠りについた筈だが、習慣なのか目が覚めてしまったようだ。正直、気分よく眠りについたのだからもう少し眠っていたかった。

俺は腕の中で眠るミスティを見た。ベッドカバーで隠れている部分とはアンバランスな幼い寝顔だ。白い肌と薄い金色の髪に映える黒くて長いまつ毛に赤い唇。抱いていた腕でミスティの髪を梳きながら頭にキスをした。

──大好き

昨夜の行為の中でミスティが言った言葉。お互いの身体を求め合う濃密な時間だった為、その場の勢いで出た言葉なのか、此奴の本当の気持ちなのか。結局俺は確かめる事に躊躇し、此奴の身体をひたすら求めた。

「…お前は俺の大事な女だ。」

そう呟き、眠っているミスティを胸に抱き寄せ再び眠ろうとしたところ…

──ドンドン

誰だ。

──ドンドン

煩い。

俺は眠ることを諦め、ベッドから降り昨夜脱ぎ散らかした服を身につけながら扉を開けた。

「おぉ、レイン!いい朝だな~」

「…何時だと思ってるんですか?」

ヒラヒラと手を振るクザンさんに非難の意を込め返事をした。

「いやぁ~おじさんは目が覚めるのが早くてね~」

嘘だ。昼寝が多いからだろ。

「取り敢えず部屋入れてよ~昨日の話もあるし。」

「は?冗談でしょ。執務室で待っていて下さい。着替えたら行きますので。」

「え~」

子供かよ。

「入れてくんないの?」

当たり前だ。裸のミスティが居る。自分の女の裸を見せる男が何処に居る。

「…すぐ行きますので。では。」

そう言うと俺は一方的に扉を閉めた。扉の向こうからは早くなぁ~と声が聞こえ足音が遠ざかっていった。

ミスティが起きるまで抱き締めて眠る幸せな時間を過ごすつもりだった。それを潰された俺はくそっと扉に当たってしまった。

悶々とした気持ちを抑え取り敢えず着替え、起きたらミスティにも来るようメモを残し、ベッドで眠るミスティの頬に唇を寄せ部屋を出た。
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