第19章 カイトの、手紙

『 ケイへ 』







お前がこれを読んでいる時、俺の状況がどうなっているかはわからないが、この場所を知っているのはごくわずかな人間だけだ。

だから、もしお前が自力でここに辿り着いたなら、かなり苦労しただろう。
俺の存在を知ると、ハンター狩りがやってくる可能性もある。
だからこの場所は、可能な限り人目につかないようにし、家を建てるのも信頼できる人間にだけ頼んだ。
だが、お前の腕なら必ず見つけられると思っていた。
予想通りだ。




家は気に入ってくれたか？

昔、お前と、建てるならどんな家にしたいか、話し合ったのを覚えてるか。
ひとまず、希望は全てそろえた。
何かあれば、また言ってくれ。

必要なものは、一緒にそろえよう。







ケイ。


お前にまた会えて、本当に嬉しかった。
再会したお前が、変わらずに笑っていてくれて、もう離したくないと思った。




ケイ、愛してる。




俺は必ず、
お前のところへ戻る。



だから、待っていてくれ。






ー カイト














「……カイトっ」

涙が、溢れた。

カイトを失ったと思ってから、
出なかった涙が。


手紙を胸に抱いて、私はただ、
泣き続けた。










カイト…





待ってる…





ずっと、待ってるから…





必ず…
帰ってきて………



わたしの…

わたしたちのところに………