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呪術廻戦 -桜色の瞳-

第5章 野薔薇



side 伏黒恵

うとうとしている桃花を連れて部屋へと戻って来た。
部屋に入るとすぐに桃花を背後から抱き寄せる。

『.....!恵....?どうしたの?』

“やっと独り占めできる”
だなんて子供じみたことはとてもじゃないけれど口になんて出来やしない。

「.....もう少し...このまま...」

桃花の匂いが鼻孔をくすぐる。
抱き寄せている腕に両手を添えて大人しく俺の身体におさまっている桃花がたまらなく愛おしい。

「.......シャワー浴びて来る。」

『うん!いってらっしゃい!』

お互いシャワーを済ませて、いつも通り桃花の髪を乾かしてやる。
俺の匂いと桃花の匂いとが混ざる俺の大好きな匂い。
その後、明日の修学旅行とやらの準備をしてからベッドへと入る。

今までどれだけの男が近寄って来ても桃花に触れられる距離に居られるのは俺だけだった。
だけど。
突如としてそれは俺だけではなくなった。
虎杖悠仁...アイツは良い奴だ。嫌いじゃない。そもそも俺の私情で助けた。
桃花の事となると俺はこんなにも子供っぽいことばかり考えている。

ベッドで俺にピッタリとくっ付いている桃花。

「........桃花.......俺のこと......好き......?」

『?うん!大好きだよ!』

考える間もなく答える。
それは...どんな好き?
どうしたら俺を男として見てくれる?
俺の男の部分を見せたら...少しは意識してくれる?
それとも...嫌われる?
そしたら今みたいな関係には二度と戻れなくなるかも...。
でも.........

「.............桃花............」

桃花の肩をそっと押して顔の横に両手を付いて覆い被さるようにして桃花を上から見る。

『.....恵?』

それから額に唇を落とし、そのまま頬に口付ける。
唇を親指でなぞって顔を近付ける。

「.........桃花.....俺........」



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