第15章 クロッカス *
やっと今日で交流戦が終わる。
交流戦を終えたら桃花は俺の部屋に戻ってくる約束だ。
「五条先生。交流戦は今日で終わりです。桃花は俺の部屋に帰ってきて良いんですよね?」
「...そうだね。悠仁も合流できたことだし、明日恵の部屋に桃花のことを帰すよ。」
振り返らずに答える五条先生の言葉にほっと胸を撫で下ろす。
ずっと桃花を待ってた。
また一緒に眠れる日をずっと待ってた。
桃花が帰って来たら今度こそちゃんと伝えるんだ。
俺の気持ち。
呪術師に明日があるかなんて分からない。
約束された明日なんて
そんな安心した未来なんて
あるかどうかも分からないのに。
どうして俺はこのとき“明日”を待ってしまったのだろうか。
王子様ってやつは待つことなんてしない。
いつだって
お姫様を迎えに行くものなのに。