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呪術廻戦 -桜色の瞳-

第11章 ヒソップ *






「..........しましたよ。俺、子どもの頃から桃花とお医者さんごっこするの好きだったんで。」




扉の前で先生へと振り返りはっきりと告げる。
これは俺なりの先生へ対する宣戦布告。


「くくっ!いいね。恥ずかしがり屋さんの恵くんが、言うようになったじゃない。」


楽しそうに喉を鳴らして笑う五条先生。


「その方が張り合いあるよ。」


五条先生は何でも持ってる。
どれを比べたって五条先生に勝てるものなんて今の俺にはきっと一つもない。

だけど、桃花を好きだって気持ちだけは負けたくない。


俺が桃花の王子様になりたい。


振り返らずに五条先生の部屋をあとにした。





おとぎ話のように、めでたしめでたしと簡単には終わってはくれないのが現実だ。


何故ならこの物語には王子は一人ではないからだ。


おひめさまはたった一人。


おひめさまと王子は簡単には結ばれなくて。
幾度もすれ違いを繰り返す。


まだまだ続く物語。





今日も桜のおひめさまは
桜が満開に咲き誇るように美しく






王子の心を惹き付け離さない。






桜のおひめさまの心を巡り







また綴られていく物語。





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