• テキストサイズ

わたしは、この日のために【鬼滅の刃】

第11章 柱合会議


『うぅん…』
愛は眩しくて目覚めた。
体中が痛くて動かせない。
でも、なぜか温かいものに包まれていて…

「む、起きたか?」
そこには太陽を背に、黄金の髪色をキラキラとさせた杏寿郎が顔を覗き込んでいた。
なぜか、杏寿郎の腕の中にすっぽりと収まっているらしい。

『あ…杏寿郎様。』
薄ら開けた目から涙が溢れる。
帰ってこられたのだという安心感と昨夜感じた無力感が入り混じる。

『ひっく…杏寿郎様…わたし、わたし…ふっぐ』

「あ、煉獄のやつが継子を派手に泣かせてるぜ」
「愛ちゃん、目を覚ましたのね。よかったぁ」
愛が大粒の涙を溢して、わんわんと泣き声をあげてしまう直前にはたと気づいた。
杏寿郎の羽織に包まれていて、抱きかかえられていたのであまりわからなかったが、他にも人の気配がある。

愛は固まり、あたりの様子を恐る恐る伺った。
広くて綺麗なお庭。
松の木や玉砂利など素人目に見ても、立派でよく手入れが行き届いている。
屋敷もあり、そこを見れば、かなりの大きさと広さを携え、荘厳な佇まいをしている。

ここは産屋敷邸…御館様の屋敷だということに気づいた。
一度来たことがあるのを思い出す。

そして、杏寿郎以外の声の主にも聞き覚えがある。
宇髄と蜜璃であった。

ここで愛がさらに気付く。
那田蜘蛛山の後には何があったか。

柱合会議…!!

まわらない首をギギギと回してみると、何ともまぁ厳かな雰囲気に息を呑んだ。
柱勢揃いである。
不死川だけがいない。

そして、目の前に炭治郎が縛りつけられて転がされている。

『…はっ…え?…へ?』
声にならない声で目をぐるぐると回しながら愛は考えることができなくなった。

わかっているけど、わからない
なぜここにわたしなんかがいるのか
どうして、杏寿郎様の腕の中にいるのか

「愛、早く屋敷で休ませてやりたいのは山々だが、聞きたいことがあるのだ。御館様が来るまで待ってほしい」
目を白黒させて動揺していると、杏寿郎が欲しかった答えをくれた。
/ 76ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp