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わたしは、この日のために【鬼滅の刃】

第9章 色変わりの刀


『っ!…これ、は…』
それは紛れもなく赤であった。

「おおっ!くーっ、この目で赤の刀身を見られるとは!」
鋼鐵塚も興奮を隠せない。

「うむ!」
杏寿郎は満足げにうなづいていた。

杏寿郎のものより少し暗い、茜色に近い赤色だった。
まるで、夕陽を彷彿させるような色であった。

『赤…杏寿郎様!赤です!』
目に涙を溜めながら、喜びを露わにする愛。
一番ほっとしたのは愛だろう。

炎の呼吸をもっと極めたい。
杏寿郎様の支えとなりたい。

その思いがより強くなった。

「カァーカァー!ニンムデアル!ニシヘムカエ!」
刀を手にした途端、鎹烏が指令を送ってきた。

『え?今から?』
感動に浸っていた思いはどこへやら、早速任務のようである。

「うむ!これで愛も立派な鬼殺隊隊士だ!炎柱の継子の名に恥じぬよう!… 愛、行っておいで。必ず戻るんだ」
『はい!頑張ります!行って参ります』
杏寿郎に檄を飛ばされ、優しく頭をポンとされた。

『隊服に着替えてまいります!』
そう今は普段着。
着替えを済ませてから出なければならない。

早速うきうきと別部屋で着替え始める。
鋼鐵塚はすでに帰った。

『んん?んん??』
そういえば、届いてから一度も袖を通していなかった。
オーダーメイドでピッタリと作られているという話だったので、後でいいやと後回しにした結果である。
また、こんなにも早く任務に出ることになるとは思っていなかった。

『露出があるのは嫌だってちゃんと言ったんだけどなぁ…油断した』
上の服は他の者と変わりなく、キチッとした隊服であった。
問題は下である。
スカートなのはまだ許せる。
制服もスカートだったので、そちらの方がしっくりくる。

ただ…

『履いてみると、短い…こんなスカート履いたことない…』
見たときは気にならなかったのに、履いてみると異常に短くなっていた。

『太ももが…うーん、これ以上伸びない。伸ばすとヘソが見える…はぁ…』
鏡の前でため息をつく愛。
『うわっ…後ろもやばい』
くるっと回ってみると、制服のようなヒラッとしたスカートは容易に下着が見えてしまいそうだ。

『んー、普通にしてれば大丈夫。蜜璃ちゃんも短いけど、みんな何も言ってなかったし、大丈夫!』
何とか自分に大丈夫だと言い聞かせる。
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