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わたしは、この日のために【鬼滅の刃】

第6章 最終選別前夜


あれから鍛錬を積んだ。
全集中の呼吸を会得し、炎の呼吸も学んだ。
まだまだ爪の甘いところはあるが、形にはなっている。
持ち前の真面目さ、また努力によって半年足らずで最終選別を受けるところまできた。

杏寿郎も愛の成長スピードには目を見張るものがあった。
教えるとすぐに自分のものとして飲み込む力が強い。
形は整っているので、後はそれをいかに活かすかというところまできた。
あとは、実戦を積んで、掴み取っていくしかないと考えたので、最終選別へ行くことを許可したのであった。

「うむ!なかなか良い仕上がりだ!」
『はい!ありがとうございます。』
半年前のことが嘘のよう。
前は少しの稽古で息が上がって苦しかったが、しっかりと体力もついた。
太刀筋も以前より重く鋭くなった。
真剣も扱うようになった。

「明日は早い。今日はここまでにして、しっかりと休むように!」
『はい!』
一旦、解散の流れとなり、杏寿郎は昼餉は柱の仲間たちと食べることになっているらしく、準備をして出て行った。

「ふぅ、いよいよ明日か。緊張する。」
明日の準備を整えながら愛はそう呟く。

『いよいよ、明日ですね。』
「千寿郎くんのご飯をしばらく食べられないかと思うと辛いよ〜。」
ここ最近は千寿郎と二人で夕餉を取ることが増えた。
「兄上も夕餉には帰ると聞いていたのですが、遅いですね。今日はあいさんのお見送りの日だというのに。」
『まぁまぁ、杏寿郎様はお忙しいですから。』
おしゃべりしながら、箸を進める。

うそ、ほんとは寂しい。
最終選別がかなり厳しいことはわかってる。
命を落とさないとは言い切れない。
でも、やり遂げないといけない。
最終選別が終わって、やっと始まるのだから。

「煉獄、ったく…しっかりしろよ。」
ガラガラと玄関の戸が開き、聞き覚えのある声が聞こえた。
「…うぅん。」
パタパタパタパタ
『あ、え、宇髄さん!』
千寿郎は後片付けをしているため、愛が出迎えた。
そこには宇髄と明らかに酔っ払っているだろう杏寿郎がいた。

「おう!煉獄の継子。昼間から飲みすぎちまったみてぇで、派手に酔っ払ってる。水でも飲ませて、寝かせてやってくれ。いつもはこんな飲み方しねぇんだが…」

『宇髄さん、お世話をおかけしました。ありがとうございます。』
「おぅ、またな。」
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