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【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第52章 スルタンコラボ更に追加 〜睡蓮の願い〜






呆然とした天元の手を引くと
ぼんやりしているせいなのか
あっさりと私の力について立ち上がり…

でも立派なドアをガチャリと開けると
ぱちっと目が覚めたかのように

「睦…!俺は…」

こちらを振り返った。
だけどそれには構わず
思い切り腕を伸ばしその首に掛けると
力を込めて引き寄せ

「おやすみ天元」

前屈みになった天元の額に唇で触れる。

私の本気を読み取った彼は
小さくため息をつき
ぐるりと天井を見渡してから

「……帰って来たら覚悟しとけよ」

私の頭にぽんと大きな手を乗せて
小さな微笑みをくれた。




あぁ、天元…
明日からまた、長い間会えないんだよね。

今夜はずっと一緒にいたい
せっかく会いに来てくれたのに…
離れたくない
ぎゅうって、だっこしていてほしい
淋しいよ

でも、



廊下の向こうに小さくなっていく背中を
泣きそうになりながら凝視めていた。



………


「ジャナ?」


私の部屋のドアの向こう、
角に隠れた影は間違いなく…

「ジャナ、どうしたの?」

呼んでも
隠れたまま出てこないジャナの元に
自分から歩み寄ると

「睦さま…っ」

泣きそうな声で名を呼ばれる。
壁に張り付いていて顔は見えなかった。
でも聞いた事のない震える声は
ただ事じゃないことを物語っている。

「どうしたのこんな夜中に…。
ほら、おいで、」

彼女の手を取り、部屋へと招いた。
するとぎゅっと力を込めて

「睦さま、ごめんなさい!
私が…盗み聞きしてたからですよね⁉︎」

「え…ぬすみぎき⁉︎」

何の事だ。
なんて物騒な…!

「ごめんなさい!お2人の邪魔をしてしまって…
でも私…他に知らなくて…どうしたらいいか…」

ジャナはまだ壁に顔を伏せたまま
多分、本当に泣き出した。

そして何を言っているのか全くわからない。

「ジャナ落ち着こ?部屋にお茶があるの。
…って言っても、
ジャナが用意してくれたヤツだけど…
まだあったかいわ、一緒に飲みましょう?」

指を絡めて手を握ってあげると
それをハッと見遣り
ジャナは小さく頷いた。



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