• テキストサイズ

【鬼滅の刃】予定調和【宇髄天元】

第52章 スルタンコラボ更に追加 〜睡蓮の願い〜









それは、ひとつの願掛けから始まった。



人間誰しも、願いのひとつやふたつあるものだ。
それは大小様々で
人によって価値も色々違っていて…

かく言う私にも、
その願いとやらはあるわけだ。

でも私のするお願いというものは
大抵、自分以外の場所にある。
自分自身、叶えたい願いはあまりない。
というのも、
もう既に叶っているからというわけなのだが。


とにかく今回は、
私の大切な人が
大切な人と結ばれるようにというものだ。
簡単に言えば
想いが通じ合って
恋仲になったらいいなと思っていた。

私が勝手に願っているわけじゃないよ?
向こうもこちらを好きで
こちらも向こうを愛していると、
傍(はた)から見たら
間違いなく両想いなのに
本人達はそれを自覚しているのかいないのか
一向に進展しないという
もどかしい状態が長く続いているのだ。

まさか私が手出しするわけにもいかず…
だって、馬に蹴られるっていうでしょう?
…邪魔をするつもりじゃないけれど
時としてそうなり得るという事で。
だから、願うという形で済まそうという結論だ。


私の故郷で『願掛け』の定番といえば
『好きなもの断ち』だ。
願いを叶えてもらう代わりに
自分の好きなものを断つという
実に身勝手なもの。

だって、結構乱暴だと思うのだ。

好きなものを我慢するだけで
願いが叶うなんて…
そんなに都合のいい話があるだろうか。
我慢するしないは自分次第だし、
ただ勝手にやってるだけなのだから。

しかも、誰が叶えてくれるというのだろう。
アラーの神か。
異郷の者がそんな時だけ縋るなど
神様も迷惑甚だしい事だろうな…


…いやいや。
そんな事を考えてしまう時点で
私は終わっている…

そんなヤツに願掛けなどする資格はない。

気は心だ。
純粋にいこう純粋に。




大切な人と、大切な人が
温かい愛で
どうか結ばれますように…



こうして私の願掛けは始まった。
これは誰にも秘密だ。
言ってしまえば全て無効という事になるからだ。

内緒内緒……











/ 2219ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp