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炎柱

第6章 温泉





煉獄さんは優しく頬笑みながら、


そうか。
では、呼んでくれ。

 
と言った。


あえて促されると、
何でか恥ずかしくなってきて、

なかなか呼ぶ事ができない…。


もじもじとしていると、


煉獄さんが耳元でささやく。


呼びやすく、してあげようか。


そのまま、
何か、生温かいものが耳を這う。


ひゃっ…!
あ、やぁ…!やめっ…!


煉獄さんの舌が、
私の耳を丁寧に舐め上げる。


あっ…やめて…ください…!
れ、煉獄…さん…っ


煉獄さんは黙って舐め続ける。
耳から首、首から鎖骨へと…

舌が、私の肌を這うたび、
はしたない声が漏れてしまう。

だ、め、です…
お願…い、煉獄、さ、ん…


煉獄さんの手が、
私の浴衣を捉える。


!!!

き、きょ、杏寿郎さん…!!


堪らず、彼の名を叫ぶように呼んだ。


すると、杏寿郎さんは、
ゆっくり起き上がり、


やっと、呼んでくれたな…?


と、いたずらっぽい笑みを浮かべていた。


…!
半分、涙目になりながら、
杏寿郎さんを睨んでみせる。


美玖、
そんな顔をしても無駄だ。

可愛いだけだからな。

…これ以上、煽ってどうする。


そう言って、
杏寿郎さんが、覆い被さってきた。


そのまま、
もう何度めか分からない、
口付けが降ってきた。


杏寿郎さんの熱に浮かされて、

心地よい感覚に身を委ねる。



…杏寿郎さん。


どうした?


……大好き、です…。


……っ


?…杏寿郎さん?


見上げると、
顔を赤く染めている杏寿郎さん。


……美玖は…本当に…、

何故、そんなにも可愛いのか。

悪いが、手加減はできない。



幸せな気持ちでいっぱいになり、
そのままゆっくりと瞳を閉じる…。


彼から与えられる熱に溶かされて…

身も心も、
彼と1つになれたような心地がした…



fin


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